今、歯医者に通っている。
歯医者に行くのは10年振りだ。
できるだけ歯医者には行きたくない。
小さい頃、歯医者に連れていかれ、泣きわめく私を押さえつけられながら、治療された苦い思い出がある。
しかし、大人になったらさすがに痛くないだろうと思い、20代前半に歯医者に行ったが、そもそも虫歯がひどく、治療が痛すぎて涙を流した覚えがある。
大人になって泣くとは思わなかった。
それだけ歯医者は私にとっての鬼門なのだ!
だから、50歳を過ぎても歯医者に行くのは覚悟がいる。
しかし、奥歯が割れて噛めなくなったので、このまま放置するわけにも行かず、仕方なく歯医者に行くことにした。
ネットで色々調べて、痛くなさそうな歯医者に予約をすることにした。
初日は診察メインで、2回目から治療を始める事になった。
案の定、虫歯も多く、抜いた方が良い歯がたくさんあるらしい。
抜く気満々の先生は、治療初日で4本を一気に抜いた。
麻酔をしているので、痛くはないし、説明も丁寧だったので納得して治療をしてもらったが、あったものが無くなるのはやはり寂しい。
なので、3回目の時にあと2本抜こうとしてたので、そこは話し合いをし、残す方向で治療をすることになった。
こうして、歯医者通いが始まった。
虫歯の治療を2本づつ行い、
いよいよ歯石を取る段階になった。
心の声「歯石取りってバカにできないんだよな」
「20代の頃、若い歯科衛生士さんが歯石を取ることになって」
「痛くて痛くて、いい大人なのにウーウー言ってたら、」
「少し楽しそうにしてたもんな」
「アイツは絶対Sだ」
「頼むからSじゃない先生にしてくれ!」
そんな事を祈りながら診察台で待っていると。
年配の歯科衛生士さんがやってきた。
まずは歯の状態から見ていきますね。
はい。
心の声「どうかやさしくしてください!」
「いい大人でも、痛いもんは痛いんです!」
1本1本の歯を見ながら2、3、4とか数字を言って、入力している。
歯ぐきの具合を調べているようだ。
う~ん。左下はちょっと大変ね。。。
心の声「歯の具合が良くないのはわかっている。しかし俺なりに歯は磨いてきたつもりだ!」
でも。
一生懸命磨いてるね!
前の歯は問題ないわよ。
でも磨き方が良くないから直した方が良いわね。
うん。頑張って磨いてるね!
あ~、なんかうれしい。。。
歯磨きで褒められるのは
ふつう小学生くらいだよな。。。
その日は表面の歯石をとり、次から本格的に歯石を取ることになった。
そして家に戻り。
ただいま!
・・・・・・
歯医者に行ってきたぞ!
私にとっては戦場から無事に帰還した気分なのだ。
・・・・・・
歯磨きを頑張ってるって先生に褒められたぞ!
・・・・・・
頑張って磨いてるけど、
磨き方が違うんだって!
・・・・・・
だから私がさんざん言ったでしょ!
お前の磨き方は違うんだって!
コイツはやさしくない!
横に一生懸命磨いてるから、歯の根元が削れてるんだって!
鏡で見たらすごい削れてるんだよ!
バカかお前は。
ずっと前から私が言ってんだろ!!
お前の磨き方は違うって!
・・・・・・
でも俺は歯磨き頑張ってるんだよ♪
自分でほめて伸びるタイプ♪