妻と付き合って初めてのバレンタインの事はよく覚えている。
当時は大学3年生でユニットバス付の6畳のアパートに住んでいた。
6畳の部屋にキッチンが付いていて、今考えるとキッチンに住んでいたようなものだ。
玄関を開けると全部が見渡せた。
その頃の妻はまだかわいくて、いつもニコニコしていた。
妻は実家に住んでいて、ほとんど料理はしていなかったが、
バレンタインの日は頑張ってチョコレートケーキを作って私のアパートに持ってきてくれた。
一口食べて、すごく硬かったのを覚えている。
生まれて初めて固いケーキを食べたので衝撃的だった。
もちろん「おいしいかも」と言って食べた。
あれから30年が経った。
バレンタインを意識することもなくなった。
しかし会社に行っているので、義理チョコをもらうことがある。
せっかくもらった義理チョコだが、ほとんど子供と妻が食べて、いつも食べることなくもらった相手には「おいしかったよ!ありがとう」と言い、3倍くらいのお返しをする。
お父さんのバレンタインなんてそんな物だろうと思っていた。
そして今年のバレンタインの日。
たまには妻に「俺にチョコレートはないの?」と言ってみようか。
どうせ「何言ってんの?」的な反応だろうが。。。
今日はバレンタインだけど、
俺にチョコレートはないの?
・・・・・・
・・・・・・
あるわよ。
え!あるのか!?
ちゃんと買ってきて、冷凍庫に入れてあるわよ。
食べてもいいよ。
アイスケーキか!?
え!あるの?
冷凍庫を開けてみる!
チョコモナカジャンボ・・・パリパリッ!
私が半分食べたやつを食べていいよ。
残りの2つは子供の分だから。
・・・・・・・
普通にアイスを買って、
しかもお前の食べかけだろ。。。
パリパリッ!って文字がイラっとするぜ。